第12回 バレンタインだから

継「第1回以来のブログ担当になるな。過真鳥継だ」

農「あたしもどえらー久しぶりやねー。中沢農です」

継「突然だが、第2回のうりん人気投票を実施する!」

農「突然すぎるやら!?」



投票は終了しました。
結果発表は3月5日です。
たくさんの投票、ありがとうございました!



継「上の投票フォームから1名、お気に入りのキャラを選んでくれ」

農「今回は『らじエレ』や『蒼海』のキャラさんはおらんのやねー?」

継「人数も増えてきたしな。前回4位のシューにゃんが脱落したことで、その票が誰に流れるのかが注目だ!」

農「(シューにゃん・・・?)」

継「なお、性別やコメントといった項目は記入しなくても投票できるので、気軽にポチっていただきたい」

農「でも投稿してもらったコメントは、このブログで紹介さしてもらいま~す!」

継「『おっぱい』『むっちり』『アラフォー』などのキーワードはネタにしやすいので、是非ともコメントしてもらいたいところだ」

「むっちりって言ったやつ殺す」

継「は、初登場になる四天農にも注目だな! バイオ鈴木はキャラ人気が高いし、マネー金上が登場したエピソードも反響が大きかった。この二人が台風の目になるか!?」

農「殺す」

継「・・・で、では、人気投票の話はこのくらいにしておこうか・・・。なお、投票期間は2月27日までの2週間、結果発表は次回更新の3月5日を予定している・・・」

農「殺す」




『バレンタインだから・・・』




継「さて。本題に入る前に・・・今回は、まずお詫びから始まる」

農「はえ?」

継「前回、ベッキー先生が出題した問題で『カロリーベース食物自給率』の問題があったが、世界1位はアルゼンチンだったことが判明した。申し訳ない」

農「アルゼンチンのみなさん、すんませんっした!」

継「お詫びにアラフォーを船便で送るので、煮るなり焼くなり好きにしてくれ」

農「ババが訪ねて三千里やね」

継「ところで、明日はバレンタインデーだな?」

農「ほーやね! あたしもコーたんにチョコレート作ってあげなかんわー」

継「チョコレートの原料はカカオ豆だな」

農「うん」

継「だから今日は大豆の話をする」

農「うん。・・・うん!? なんでっ!?」

継「豆つながりだからだ」

農「いやいやいや! カカオ豆は木の実やら!? 大豆とゼンゼン違うやら!? どーしてまったのケイ!?」

継「大豆が俺にもっと説明しろと囁いている」

農「ケイが壊れた・・・」




『大豆は世界を救う?』




継「2巻の本文中でも語ったが、大豆には窒素固定という能力がある」

農「空気中の窒素を取り込んで肥料にするんやよね?」

継「そうだ。植物の三大栄養素はわかるな?」

農「窒素・リン酸・カリウムやら?」

継「正解だ。そのうちの1つである窒素は植物を大きくするために欠かせない栄養素だが、これは空気中に多量に含まれている。大豆をはじめとするマメ科の植物は、この空気中の窒素を利用することができるんだ」

農「やで、肥料がいらんのやよね?」

継「と、誤解してしまいがちだが」

農「?」

継「実際はそうじゃない。確かに大豆は空気中の窒素を固定して体内に取り込むが、それは大豆が使う窒素の3~7割に過ぎないんだ!」

農「ええ!? ほ、ほんなら・・・残りはどうするの?」

継「当然ながら土の中から吸い上げることになる。つまり、大豆を植えてもそれだけでは土は肥えず、収穫すればむしろ土は痩せてしまう」

農「えー・・・」

継「ただ、大豆を収穫せずに、そのまま土に戻してしまえば話は別だ。大豆が大気中から取り込んだ窒素が土に還元されるため、どんどん土地が肥えることになる。大豆の実はもちろん、茎も繊維質豊富な緑肥となるため、土壌改良作物として注目を集めているんだ」

農「なるほどー。最初の年は収穫せずに、そのまんま畑に戻してやればええんやね!」

継「クローバー、カラスノエンドウ、ヘアリーベッチ、そしてレンゲといったマメ科の植物は、どれも窒素固定の力を持っている。単なる雑草のように見えるこれらの植物も、実は農業にとって欠かせないものだったんだ」

農「ちなみに下の写真は、取材先の学校さんの田んぼの写真でーす。ここに植わっとるのがレンゲやね!」

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                   岐阜県の県花です

継「その他にも、最新の研究によって、マメ科の持つ新たな能力が注目されつつある」

農「新たな能力って?」

継「植物スプリンクラーという能力だ。クローバーやアルファルファには、地中にある水分を吸い上げて、表層の乾いた土に排出する力があるという」

農「ほえぇ~」

継「乾燥地での農業には朗報だろう。他にも害虫や病気の予防をする効果もあったり、マメ科にはまだまだ未知の可能性が残されている!」

農「マメって偉いんやね」

継「だが、大豆を語るうえで、もう一つ知っておかなければならないことがある」

農「?」

継「今、世界のある場所で急速に森が失われつつある場所がある。農、どこかわかるか?」

農「さあ? 長野県?」

継「アマゾンだ!!」

農「Amazon!?」

継「『ありあまるごちそう』というドキュメンタリー映画がある。その映画によれば、現在、アマゾン川流域に広がる熱帯雨林が削られ、フランスとポルトガルを足したくらいの面積が大豆畑になってしまったという・・・」

農「ええ!? ほれって西ヨーロッパの4分の1くらいやないの!?」

継「ブラジルは現在、世界最大の大豆生産国になっている。ではなぜ、そんなにも大量の大豆を生産するのか?」

農「日本食ブームやし、お醤油とかお豆腐とかを作る・・・とか?」

継「それならまだいいんだがな。実はこれらの大豆は、全てアメリカやヨーロッパに輸出され、家畜の飼料となる」

農「動物のエサに?」

継「ああ。実は日本では人間が食べるものだという認識が一般的だが、欧米において大豆はもっぱら家畜の食べ物なんだ」

農「へぇ~・・・。家畜のエサっていうと、干し草とかトウモロコシって印象があるけど、今は大豆なんやねー」

継「実はこの大豆畑ができた背景には、トウモロコシの価格高騰、いや、世界的な穀物価格の高騰がある!」

農「ほえ?」

継「日本で暮らしていると全く実感がないが、現在、アフリカを中心に世界的な飢饉が発生しているんだ」

農「今年は葉もの野菜がどえらー高いけど、そーいうのやなくて?」

継「全く違う。そもそも穀物価格高騰は、リーマンショックに端を発すると言われている」

農「え? リーマンショックって株とかの話やら? なんで農業と関係あるの?」

継「リーマンショックによって株式市場は信用を失った。投資家たちは資金を別の市場に避難させようとしたが、そのときに目を付けられたのが穀物市場だ。もともとバイオエタノールの実用化に向けて、その原料として注目されていたトウモロコシを中心に、莫大な額の資金が流れ込んだ――」

農「あっ! ほんで穀物の値段が急騰したわけやね!?」

継「そう! そうなると、困るのは貧しい国の人々だ。欧米で穀物の価格が高騰したため、自国で消費するよりも輸出するほうが遙かに儲かる。だからアフリカから穀物がどんどん流出し、それが飢饉につながったわけだ」

農「はぁー・・・ほんな飢饉ってあるんやね・・・」

継「日本も無関係ではない。全国の畜産家たちは、飼料として使用していた輸入トウモロコシが大高騰したことによって、悲鳴を上げているからな」

農「ほんで、今度はトウモロコシやなくて、大豆を使うようになったわけやの?」

継「世界的な傾向としてはそうらしいが・・・そもそも『畜産』という行為自体が、非常に大きなエネルギーロスを発生させるとして、批判の対象になっていたりもするんだ」

農「どーいうことやの?」

継「1キロカロリー分の牛肉を生産するためには、8キロカロリーもの穀物が必要となる。つまり牛肉を生産する過程で、その8倍もの穀物エネルギーを必要とするということだ」

農「ええ!?」

継「牛肉だけではない。豚肉なら4倍、鶏肉でも3倍の飼料用穀類を必要とする」

農「ほーやって聞くと、お肉ってとんでもなく贅沢な食べ物なんやね・・・」

継「最近話題の『ビーガン(厳格な菜食主義者の人々)』の催し物などに行ってみると、だいたいこのような論法で肉食が批判されているな。人類が肉を食い続ける限り、森林破壊は止まらない・・・と」

農「手放しで『大豆を植えれば地球環境がよくなる!』って言える状況やない・・・わけ? なんかも-、頭がこんがらがってまったわ・・・」

継「農業を語るとき、もはや経済を抜きにしては語ることができない時代になっている。だが、経済のみに目を向けては、農業の本質を見失うのもまた真理だ」

農「・・・?」

継「大豆は少ない肥料でも生産できるし、食品としても優れている。その大豆を、家畜ではなくまず人間が食べるようになれば・・・人類が抱える食糧問題は、かなり改善できるのではないか? そしてその答えを、我々日本人は既に手にしているのだ!」

農「!? そ、その答えって・・・?」

継「豆腐だ!!」

農「ええ!?」




『豆腐というアンサー』




継「今でこそアメリカでもそこそこ受け入れられている豆腐だが、かつては全米嫌いな食べ物ランキングで堂々の1位を獲得するなど、非常に評判の悪い食べ物だった」

農「なんでやの? アメリカって日本食ブームなんやら? 豆腐だって食べてもらえるんやなーの?」

継「いや。そもそも豆腐は人間の食べ物だとすら思われていなかった」

農「ええ!? ど、どーして・・・?」

継「豆腐の原料は大豆だ。アメリカ人にとって大豆は家畜の食べ物なので、豆腐も家畜の食べ物ということになる。らしい」

農「えー・・・」

継「そんなアメリカに豆腐を売り込んだのが、森永乳業の社員だった雲田康夫(くもだ・やすお)さんだ」

農「森永乳業? ・・・ヨーグルトとかならわかるけど、なんで豆腐?」

継「実は森永乳業は、常温長期保存が可能な紙パック入りの豆腐を開発していたんだ」

農「紙パック入りの豆腐!? ぎゅ、牛乳みたーな?」

継「日本人からすれば、ちょっと驚いてしまうような商品なんだが・・・様々な理由から、雲田さんはこれをアメリカで売るように命じられる」

農「日本人でもちょっと買いそうにない商品やのに、ホントにアメリカで売れたの?」

継「『売れて』のではなく『売った』んだ。『MNF(モリナガ・ニュートリショナル・フーズ)』とうい現地法人の社長となった雲田さんは、自らスーパーでデモンストレーションしたり、豆腐のレシピに関する本を書いたりして、試行錯誤の末に豆腐をアメリカ社会に浸透させることに成功したんだ」

農「社長自らパートのおばちゃんみたーなことを・・・」

継「実に20年もの歳月を要したというが・・・その成果を認められ、雲田さんは農林水産大臣賞も受賞しておられる」

農「ほんでも、どーしてアメリカの人が豆腐を食べてくれるようになったの? 豆腐の美味しさに気づいてくれたの?」

継「いや。やっぱりアメリカの人は『旨味』というものが理解できないらしい。多彩な食文化を有するヒスパニック系も、豆腐の風味には気づけないという」

農「美味しくなーのに食べるわけ?」

継「極論すれば、まあそういうことだ。要するに、味よりも『健康食品』という面に注目されているわけだな」

農「アメリカの人はカロリーとか気にするって話やし、確かに豆腐は日本でも健康にいい食品ってイメージあるしね」

継「雲田さんの著書『売れないものは俺に任せろ!』によれば、アメリカにおける豆腐販売の転機となったのは、ヒラリー・クリントンさんの発言らしい」

農「ヒラリーさんの? どんなこと言やーたの?」

継「『夫のビルはジャンクフード大好きで高血圧なので、豆腐を食べさせたいのに、彼は豆腐が嫌いなのよ』と言ったらしい」

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                  浮気したダンナに豆腐を喰わせてやったわ!

農「え? クリントン大統領も豆腐が嫌いって意味やん。むしろマイナスやなーの?」

継「確かにそうも取れるが、雲田さんはこの発言を『大統領夫人ですら、豆腐を健康にいい食品だと考えて、大統領に食べさせようとしている』と捉えた。この瞬間、アメリカにおいて豆腐は市民権を得て、『健康食品』としての地位を不動のものとしたのだと」

農「あー、なるほど」

継「しかも雲田さんの凄いところは、この機を逃さずホワイトハウスに豆腐を贈ったことだ」

農「ホワイトハウスに!?」

継「そうしたら、ヒラリー夫人から丁寧な署名付きの礼状が届いたらしい」

農「ハンパない行動力やね・・・」

継「さらに雲田さんは、豆腐そのものの形にこだわらなかった。寿司が『カリフォルニアロール』という形に進化したように、豆腐も『トーフシェイク』という新たな食べ方を産み出したのだ!」

農「トーフシェイク!?」

継「バナナやイチゴを混ぜてミキサーにかけることによって、アメリカ人好みのシェイクになるらしい。豆腐の味を楽しむのではなく『健康食品』として摂取するのなら、これほど効率のいい食べ方もないだろう」

農「発想の大転換やね・・・」

継「前回このブログでも『長芋』がシェイクの材料としてカリフォルニアに輸出されていることに触れたが、豆腐シェイクの下地があったからこそ、長芋シェイクも受け入れられているのかもしれないな」

農「はぁー・・・」

継「大豆研究者の山内文男先生の著書『大豆の科学』によれば、世界で共通している味覚は『甘い』『酸っぱい』『塩辛い』『苦い』の4要素だが、これに日本文化は『旨い』という感覚を加えたらしい。その『旨味』とは大豆発酵食品である醤油や味噌の味であり、この感覚は『umami』として世界的な言葉になろうとしているという!」

農「UMAMI!?」

継「『kawaii』や『moe』の次は『umami』が来る!」

農「でも、世界中の人んたーが醤油や味噌の味を理解できるようになったら、豆腐だって健康食品としてやなくって、本当に美味しい食べ物やって思ってまえるかもしれんね!」

継「そうだ。しかし豆腐には、豆腐そのものの他にも重要なものが存在する」

農「?」

継「オカラだ!!」

農「オカラ!?」




『オカラを飼料にするという提案』



農「オカラって・・・豆腐を作るときに出る、あのドロドロしたやつやら? お豆腐屋さんに行くと安くわけてもらえる・・・」

継「そうだ。ちょっとこの写真を見てくれ」

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農「? これは?」

継「昨年の9月に行われた、岐阜県畜産研究所による『ふれあい報告会』の様子だ」

農「へぇ~。一般の人も参加できるんやね~」

継「まあ、全く関係ない一般参加者は作者一人だったようだが・・・」

農「ほんで? これがどうしたの?」

継「この報告会で、『オカラを飼料に使ってみよう』というような研究の報告が行われた。これだ」

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継「この研究は、採卵用鶏(レイヤー)のエサに発酵乾燥オカラを添加した場合の、経済効率についての研究だった」

農「ほうほう。どんな結果が出たの?」

継「こんな感じらしい」

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農「これは・・・どういうことやの?」

継「誤解をおそれず簡単に言うと、エサの中に5%オカラを混ぜた場合は約100円、10%混ぜた場合は約150円の儲けが出る、ということだ」

農「・・・微妙やない?」

継「いやいや。これはかなり大きな効果だぞ? なにせ鶏は何万、何十万羽という規模で飼育するからな。仮に10万羽を飼育しているとすると、1羽あたり150円の餌代が浮くとなると・・・」

農「い、いっせんごひゃくまんえん!?」

継「大きいだろう? しかも廃棄されていたオカラを商品化することにより、豆腐会社も新たな利益を得ることができる!」

農「色んな方面にメリットがあるんやね!」

継「質疑応答で、共同で研究を行った豆腐会社の社長さんが登場したんだ。しかもこの社長さんは日本豆腐協会(?)の理事もしていて、もし本気でこの発酵乾燥オカラを商品化するのであれば、全国の豆腐会社に呼びかけて工場に機械を設置させるとか、かなり壮大なプロジェクトについても言及していた!」

農「すごい!」

継「正直、発表者の人が困惑してしまうほどの熱の入りようだった・・・」

農「すごい・・・」

継「アメリカでは、オカラを飼料にすることは既に行われているらしい。日本でも行っているところはあるだろう。だが、世界の人々がもっと豆腐を食べるようになり、そのときに発生するオカラを飼料にするようになったら・・・人類はもっと幸せになれると思うんだ」

農「豆腐が世界中で食べられるよーになったら、もっと日本食が注目されて、農作物の輸出も伸びるかもしれんしね! みんなでもっともっと豆腐を盛り上げていこー!」

継「ホワイトデーに豆腐を贈るとかな」

農「それはやめて」



次回更新は3月5日を予定しています。
人気投票の期間は2月27日までです。投票よろしくお願いします!

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by thurinus | 2012-02-13 21:00 | SS


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