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第37回  農業高校の甲子園『日本農業クラブ全国大会』を観戦しよう!

耕作「いや~、今年の甲子園も熱戦続きだねぇ!」

継「確かに。当番実習中もラジオを手放せないな」

耕作「ぼくたち田茂農林のモデルになった学校でも、数年前から硬式野球部が頑張って活動してるから、高校野球の観戦にも一段と熱が入っちゃうよね!」

継「作者の出身校には軟式野球部しかないからな・・・」

耕作「ところで継。農業高校の甲子園っていうと、やっぱりアレだよね?」

継「ああ。アレだな」




『第63回日本学校農業クラブ全国大会長野大会』




耕作「そんなわけで今回は、昨年10月に行われたFFJ全国大会のご紹介です!」

継「長野県の松本で行われたプロジェクト発表についてのレポートになる」

耕作「松本っていうと、第二新東京市のあるところだよね?」

継「松本大本営のあるところだな」

耕作「名古屋から特急『しなの』であっというまです」




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 名古屋から岐阜県東濃地方を通って長野へ行きます



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 ようこそ松本へ



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 横断幕も出てます!!



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 松本駅前。とっても綺麗です



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 目の前にはアニメイトさんもあります

 



継「さて、会場は・・・」

耕作「ちょっと歩いたところにあるみたいだね」




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 駅からまっすぐ10分くらい歩くと到着


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 ここでやってます!



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 長野県の農業高校の生徒さんたちが運営を担当します




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 プログラムを購入!



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 マスコットキャラのデザインも、もちろん生徒さんたちのもの



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 ここが会場。広い! 立派!



耕作「うわー、すごいとこでやるんだねぇ!」

継「プロジェクト発表はパワーポイントに合わせて演者が喋る方式で進められる。パワーポイントの操作やマイクの調節など、すべて生徒が担当するんだ」

耕作「準備の時間から審査が始まってるんだね・・・」

継「ちなみに他の会場では、以前このブログでも紹介した『農業鑑定競技』なども行われていたんだが――」

耕作「長野県があまりにも広いので、そっちの見学には行くことができませんでした!」

継「というか、翌日から長崎の全国和牛能力共進会へ取材に行くという強行スケジュールだったな・・・」

耕作「5巻の執筆作業の合間を縫ってだったし・・・大変だったね・・・」




『プロジェクト発表とは?』




継「さて、ここでプロジェクト発表について簡単に説明しておこう」

耕作「1巻と3巻でちょっと出てきたよね」

継「農業高校では、卒業までに1つの『プロジェクト』という、チームを組んでの研究を行う」

耕作「卒論みたいな感じかなー」

継「自分たちで新たにテーマを立ち上げることもあれば、先輩たちから引き継いだテーマを研究していくこともある」

耕作「で、その研究を10分以内にまとめて、パワーポイントなんかを使いながら発表するのが、このプロジェクト発表なんだよね!」




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 3~10人くらいで発表します


耕作「ちなみに『意見発表』っていうのもあるんだけど、そっちは一人で喋る感じで、発表時間も短いです」

継「全国大会まで来ると、研究内容が高度なこともさることながら、パワーポイントの見やすさ、演者のトークの素晴らしさにも圧倒される」

耕作「途中で寸劇を入れたり、セリフ全部憶えてる学校とかあるもんね・・・」

継「準備時間もストップウォッチで時間を計測され、準備にどれだけかかったのか即座に発表される。こんな具合だ」



司会「お待たせしました。それでは、○○県○○農業高校の皆さん、準備を始めてください」

演者「はい!」

演者「マイクの調子はどうですか?」

マイク担当「OKです!」

演者「右スライド準備いいですか?」

右スライド担当「OKです!」

演者「左スライド準備いいですか?」

左スライド担当「OKです!」

演者「準備できました」

司会「ただいまの準備時間は○分○秒でした」




継「・・・というやりとりがあって、いよいよ発表開始だ」

耕作「まずは『区分 食料・生産』。野菜、果物、花なんかの生産や、食べ物系の商品開発なんかに関する発表だね!」

継「まさに俺たち生産科学科に関係した発表だな。大いに参考になるだろう」

耕作「今回は、全国9ブロックを勝ち抜いてきた各校の発表を、簡単にご紹介します!」






第63回 日本学校農業クラブ全国大会 
平成24年度 長野大会

【プロジェクト発表会 区分 食料・生産】




関東 群馬県勢多農林 

『高山村「リンドウ」産地化を目指して』



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継「群馬の名門、勢多農は明治41年開校。平成20年には100周年を迎えている伝統ある古豪だ」

耕作「6つの学科がある大きな農業高校なんだよね!」

継「今回の発表も、地元群馬の吾妻郡高山村のリンドウ(お花のこと)生産を村長からの依頼を受けて支援するという、地元の産業と連携した壮大な取り組みだった」

耕作「『目指せリンドウ栽培で1億円!』を合い言葉に、ウィルスを媒介する害虫の特定や、優良株の選定、果ては小学校での啓蒙活動なんかまで含めた巨大プロジェクト! 最初から圧倒されっぱなしでした!」

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継「なおこの発表は最優秀賞(農林水産大臣賞)に選ばれた」

耕作「いきなり優勝校出ちゃったよ!?」

継「大丈夫だ! この先も更にインパクトの強いプロジェクトが目白押しだからな!」







北信越 長野県須坂園芸高校
 
『水稲多収プロジェクト 日本最多収量達成と多収技術普及への道』



継「開催県長野からは、須坂園芸高校が出場だ」

耕作「もともと養蚕が盛んだった地域の学校で、現在は果樹(りんご)なんかが盛んです。『園芸』って名前も、ここからついたらしいよ!」

継「美濃加茂市と似ているな」

耕作「そうだね。美濃加茂も、昔は養蚕が盛んで、それが岐阜県では珍しい梨の栽培に繋がってるからね」

継「さてその須坂園芸高校の発表だが・・・要するに『コメを日本一たくさんとる!』というものだった!」

耕作「この学校の恐ろしいところは、『いっちょやってみっか!』って始めた一年目に、従来の記録を大幅に上回る日本新記録を打ち立てちゃったことだよね・・・」

継「これまで1反(1000平方メートル)当たり1,052kgだった収穫量を、100kg近く上回る1,146kgという驚異的な数字を叩き出した! これは従来唱えられていた『収量逓減の法則』からは考えられない結果で、なぜこのような結果が出たのかという検証が、本プロジェクトの内容だった」

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耕作「窒素で籾の数を増やすことと、ケイ酸でその籾の登熟歩合を高く保つことがポイントなんだね!」

継「まだまだ謎の多いメカニズムのようだが、インパクトではナンバーワンだったな」







近畿 兵庫県篠山東雲高校

『丹波黒豆(丹波黒)の黒根腐れ病害に挑む! ~トリコデルマ属菌を活用した機能性たい肥の開発と効果に関する研究~』



継「近畿ブロックからは、兵庫県の篠山東雲高校が登場した。平成23年に篠山産業高等学校より分離独立した、格式と新しさを併せ持つ学校だ」

耕作「『丹波の黒豆』が有名な地域の学校だね!」

継「このプロジェクトも、その黒豆を守ろうという研究だった」

耕作「夏の異常気象で根腐れが発生しちゃってたんだよね・・・」

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継「トリコデルマ菌の拮抗性を利用して、その黒根腐れ菌を抑え込もうという目論見だ」

耕作「凄いと思ったのは、そのトリコデルマ菌の調達方法! この菌はシイタケにとっては害菌で、だからシイタケ農家さんから廃菌床をもらって来て、それを活用したんだよね!」

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継「シイタケ農家にとっては処理に困っている廃菌床を活用できるし、黒豆農家にとっては資材を安価に調達できる。薬剤を用いずに防除が可能なこともグッドだ!」

耕作「発表前のマイクテストでもユニークな工夫を見せてくれた学校でした~」







四国 愛媛県大洲農業高校 

『地場農産物の産地化及び商品開発プロジェクト ~大洲芋の栽培と加工食品の研究PartⅡ~』



継「四国からは愛媛県の大洲農業高校が出場だ。『武士に士魂あらば我らに土魂あり』という、実に意気軒昂な農場訓を持つ学校だな」

耕作「『大洲芋』っていう、地元で採れるサトイモの仲間を商品化しようってプロジェクトなんだよね」

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継「サトイモは岐阜県でも『地芋(ジイモ)』と呼ばれ、各地の特色が出る作物だ。それを3年間かけて大洲芋スイーツを商品化させ、食育活動・PR活動しようという意欲的な発表だったが・・・」

耕作「残念なことに、ここで機材トラブル! なぜかスライドが映らない状態が続いて、時間切れになっちゃったんだよね・・・」

継「運営側からは『トラブル中の時間も発表時間に含める』とだけ説明があったが、見ているこちらとしては何が起こったのか詳しく説明してほしかったな」

耕作「だけど大洲農業高校の生徒さんは、逆境をものともせずに最後まで自分たちのプロジェクトを発表したんだよね!」

継「地場農産物のPRだけではなく、それをもとに全国の高校生が被災地の復興に携わることができるようにという、非常に大きな可能性と志を持った発表だった」

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東海 岐阜県恵那農業高校 

『甦れシクラメンの里 恵那』



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耕作「岐阜キタ―――(*^O^*)―――!!」

継「東海ブロックからは、作者の地元・東濃地方の恵那農業高校が登場だ!」

耕作「花に関してはガチで日本一の学校です!」

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継「岐阜県恵那市は日本のシクラメン栽培発祥の地と伝わっている。しかし近年はその生産状況も危機的な状態にある」

耕作「それを何とか立て直そうっていうプロジェクトだね!」

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継「様々な取り組みの結果、人件費を半分に、肥料代を従来の2割に、農薬代も3割削減と、従来の方法で一鉢390円ほどかかっていた費用が330円程度にまで抑えることができるようになった!」

耕作「これ、めちゃくちゃ大きいよね。一鉢当たり60円の儲けが出るようなもんだもん」

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継「今後は研究成果である栽培体型をマニュアル化し、『恵那シクラメン』のブランド向上と、恵那農業高校オリジナル品種の開発などに取り組んでいくそうだ」

耕作「恵那のシクラメンが全国の皆さんに届きますように(^_^)/」

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中国 鳥取県倉吉農業高校 

『幻の大山スイカの復活を目指して 第4弾 ~本当に大山スイカで儲かるのか検討しよう~』



継「鳥取県の倉吉農業高校は、最近の農業高校としては珍しく、登場メンバーのほとんどが男子という布陣で登場だ」

耕作「最初の挨拶で放った野太い声はインパクトあったよね~」

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継「その声に負けず劣らずインパクトのあるこのプロジェクトは、鳥取名産スイカ栽培の原点となった『大山スイカ』という伝統品種を保存・産業化させようという取り組みだった」

耕作「長細ーい、ひょうたんみたいな形のスイカみたいだね」

継「地域のオンリーワン品種としたいが、しかし本当にこのスイカで儲けることができるのかを冷静に検証しようという、そういうプロジェクトだった」

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耕作「結果的には、食味ではちょっと劣るけど、希少性を押し出していけば何とかなりそう・・・って感じだったね」

継「大山スイカジェラートが商品化されて弾みがついた産業化、この夏の猛暑の勢いに乗ってぜひ成功させてほしいものだ」








北海道 北北海道旭川農業高校 

『旭農新商品開発プロジェクト ~米粉(しろ)と黒大豆(くろ)の新たなる挑戦~』


継「試される大地・北海道からは、旭川農業高校が出場だ」

耕作「ルビの振り方がラノベっぽくてテンションが上がります!」

継「旭農は2009年から旭川産米粉の研究に取り組み、既に『産官学連携事業』のもと米粉パウンドケーキの商品化に成功している」

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耕作「今回はそれをさらに発展させて、旭川産黒大豆『いわくろ』を配合した『新米粉パウンドケーキ』の開発に取り組んだんだよね!」

継「その結果、マーブル模様のパウンドケーキを商品化。初お披露目では10分で完売と、上々の成果を見せている」

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耕作「しかもこの米粉プロジェクトが、漫画『蒼太の包丁~旭川編~』にも取り上げられました!」

継「料理漫画の大長編にも取り入れられる魅力が、旭農のプロジェクトにはあったということだろう」

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東北 岩手県盛岡農業高校 

『笑顔で伝わるふるさとの味 ~米粉パンの地域普及を目指して~』



継「東北からは岩手県の盛岡農業高校が出場だ。明治12年創立の、岩手県で最も古い歴史を有する学校になる」

耕作「15年間も続けてきた米粉パン作りを更に発展させようというプロジェクトです!」

継「米粉が続くな」

耕作「大穀倉地帯だし、やっぱり米の消費量低下には危機感が強いんじゃない?」

継「米粉ブームに乗った・・・とは、決して言えないだろうな。何せ15年間の研究実績と、40品目ものパンを製造してきた確かな技術がある」

耕作「その技術を駆使して今回作ったのが『ハンバーガー』! 米粉のバンズと味噌だれを組み合わせた、全く新しい食味でハンバーガー業界に殴り込みだ!」

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継「ハンバーガーのバンズ(パンの部分)のふくらみを米粉でどのように実現させるか。その試行錯誤の過程を実際に見ているかのような、素晴らしい発表だった」

耕作「他にも、岩手県の有名な『石割桜』から採取した酵母に製パン適性があることを突き止めて、それで作った食パンとかも美味しそうだったよね。食べてみたいな~」

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九州 沖縄県中部農林
 
『目指せ! 地域のバイオセンター ~オリジナルいも増産に向けたプロジェクト~』



継「九州ブロックからは沖縄県の中部農林が出場。国内でも独特の気候を有する沖縄でどんなプロジェクトが行われているのか。非常に興味のあるところだ」

耕作「学校オリジナルのサツマイモを作ろう! っていうプロジェクトみたいだね」

継「実は沖縄では、特殊病害虫であるアリモドキゾウムシやイモゾウムシの被害に悩まされており、そのせいで生イモを県外に出荷することができない」

耕作「沖縄で食い止めてるんだね・・・」

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継「それどころか、同じ沖縄県内でも苗の持ち込みが制限されている地域すらある」

耕作「収穫した芋を市場や加工工場に運んだりする事も難しくなっちゃうよね」

継「近年、紅芋タルトなどの加工品がヒットしていることもあり、イモの増産は急務。そこで中部農林では、害虫の心配が少ない『バイオ苗』の増殖に挑戦した!」

耕作「組織培養して殺菌した苗なら、ウィルスフリーので安全!」

継「そしてその苗を増やしていくことで、沖縄のイモを県外へ出荷することも可能となる日がきっと来るだろう」

耕作「中部農林はそれだけじゃなくて、オリジナルのイモも作ろうとしてるんだよね?」

継「そうだ。ゾウムシ被害により、沖縄のイモは焼き芋として用いられることが少ない。焼き芋はほぼ県外のイモを使用しているそうだ」

耕作「沖縄って、イモに花がつくんだってね。だから育種もやりやすいんだって!」

継「アサガオの仲間なので、ああいう感じの花が咲くそうだな」

耕作「中部農林の生徒さんたちが作った焼き芋を、いつか岐阜県でも食べてみたいよね!」

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耕作「ここで午前の部が終了。お昼休みを挟んで、次は『区分 環境』の発表となりますー」

継「休憩中は、ロビーでプロジェクトの貴重な研究資料を閲覧することができるぞ!」


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耕作「そんなわけで今回はこれで終了! で、続きはいつ載るの?」

継「次回の更新は7巻発売直前ということでその宣伝を予定しているので、その後くらいには・・・」

耕作「ゆっくりお待ちください!」



 次回更新は9月9日を予定しています。

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by thurinus | 2013-08-19 21:00 | SS


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