第9回 バイオ鈴木の食品加工講座 ら~めん編
耕作「どもー。3週間ぶりのブログ更新・・・なんだけど、ちょっと小腹が空いて元気の出ない畑耕作です」
耕作「んー、始める前に軽く何か食べたいところなんだけど、早寝早起きの農はもう寝ちゃってるし、買い置きのお菓子もカップ麺も食べ尽くしちゃったしなー。こんな寒い日はラーメンなんか最高なんだけど・・・」
鈴木「じゃ、つくってみましょ」
耕作「へ?」
『ら~めんを作ってみよう!』
耕作「バイオ鈴木!? お、おまえ、こんな時間にどうして寮にいるんだよ!?」
鈴木「ウフフフフ。細かいことは気にしちゃダメよぉん」
耕作「いや、ゼンゼン細かくない気が・・・っていうか、ラーメンを作るってどういう意味?」
鈴木「言葉どおりの意味よぉん。ラーメンの作り方は意外とカンタン。ご家庭でも短時間でちゃぁんと麺から作れるのぉ」
耕作「マジで!?」
鈴木「実際に作ってみればわかるわぁん。まず用意するものは――」

材料(2人分)
小麦粉:500g(麺用の粉)
重そう: 7g
食 塩: 7g
水 :250g
鈴木「麺を作るのに必要なものはこれだけよぉん。これならご家庭にも常備されてるでしょぉ?」
耕作「ないよ!! 普通の家には麺用の小麦粉なんて置いてないし、重そうだってきっとないよ!!」
鈴木「そう? まぁそんなに高いものじゃないし、普通にスーパーで手に入るものばかりだから、揃えてちょうだい」
耕作「揃えてって・・・この時点で手軽に作る夜食の域を超えている気が・・・」
鈴木「じゃ、始めるわよぉん?」
Step1
重そうと食塩を水に溶かして『かん水』を作ろう!
鈴木「まずは重そうと食塩を水に溶かすところから。重そうはちょっと溶けにくいから、割り箸でちゃぁんとかき混ぜてね?」
耕作「ちょっとバイオさん」
鈴木「なぁに?」
耕作「じゅうそう、って何?」
鈴木「炭酸水素ナトリウムよぉん。サイダーやソーダ飴の原料になったり、洗剤の原料になったりしてるわぁん。ご年配の方だと、夏みかんに直接ふりかけたりすることもあるかもねぇ。お酢と一緒に特定農薬にも指定されてるから、畑くんも聞いたことがあるんじゃないかしら?」
耕作「ああ、そういえば使ったかも・・・?」
鈴木「ちなみに『かん水』を使うと、麺にコシが出て色も黄色くなるの。ラーメン作りに欠かせないものだけど、独特の匂いもあるから使用に否定的な立場もあるわぁん」
耕作「確か『美味しんぼ』にもそんな話が載ってたね」

よく混ぜます
鈴木「で、かん水ができたら次のステップに進むわよぉん?」
Step2
小麦粉にかん水を加え、割り箸を使って『水まわし』をしよう!
耕作「みずまわし?」
鈴木「要するに、水を加えた小麦粉を割り箸で練るのよ。ねるねるねるねみたいに」
耕作「ふーん。どうしてそんなことするの? いきなり手でコネたらダメなわけ?」
鈴木「畑くんったら、ホントお馬鹿さぁん」
耕作「!?」
鈴木「それをやると、せっかくの小麦粉がベトベトになったりダマになったりして失敗するわぁん。素人さんが一番最初にやる失敗ね」
耕作「う・・・」
鈴木「小麦粉の量に比べて、水がほら、半分しかないでしょう? だから均一に水を吸わせてやる必要があるの。そのための『水まわし』よぉん」
耕作「な、なるほど・・・」
鈴木「さ。やってごらんなさぁい?」

小麦粉にかん水を加えます
耕作「ぐりぐりぐり・・・これ、いつまでやればいいの?」
鈴木「小麦粉がそぼろ状になるまでねぇん。具体的には鮭フレークみたいなポロポロ感が欲しいわぁん」
耕作「ポロポロ感・・・」
鈴木「ちなみに今回使ってる小麦粉は『日進ナンバーワン』っていう、ラーメン用の小麦粉としては最高とされてる小麦粉よぉん! プロのラーメン屋さん御用達! 一般では手に入りにくい業務用の粉だから、ありがたくお使いなさぁい!」
耕作「おまえさっきスーパーでカンタンに手に入るって言ってたろ!?」
鈴木「品質にこだわらなければね。ぶっちゃけ強力粉なら何でもいいわけだし・・・うん。そろそろよさそうね?」

画面越しにも伝わってくるポロポロ感
耕作「はー、疲れたぁ・・・。次は何をするの?」
鈴木「次はもっと疲れるわよぉん?」
Step3
生地をコネよう!
鈴木「説明不要! とにかくコネなさぁい!!」
耕作「おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
~ 20分経過 ~
耕作「こ・・・こんなもんで・・・どうでしょうか・・・?」

力の限りこねます
鈴木「まだまだ! もっとツヤが出るまでコネる! そして触ったらプンニョリと柔らかいのがベストよぉん!」
耕作「ツヤツヤ・・・プンニョリ・・・」
鈴木「耳たぶくらい柔らかいのが理想ねぇ」
耕作「み、耳たぶ・・・」
鈴木「畑くんのお尻の感触でもいいわよぉ?」
耕作「なんで知ってるの!?」
鈴木「ウ腐腐腐腐・・・」
~ さらに10分経過 ~
耕作「こ、こんなもんで・・・」
鈴木「まぁいいわぁ。じゃ、これを――」
Step4
生地をビニール袋に入れて20分寝かそう・・・。
鈴木「じゃ、その生地をビニール袋に入れてくれるかしらぁ?」
耕作「よいしょっと・・・これでいいの?」

しばしの眠りにつきます・・・
鈴木「ええ。あとは20分間寝かせるだけよぉん。クッキングタイマーをセットしておきましょお」
耕作「ふー、疲れた。ちょっと休憩?」
鈴木「お馬鹿さぁん。休んでる暇なんてないわよぉん?」
耕作「え?」
鈴木「今のうちにスープと薬味を用意するわよぉ!!」
Step5
スープと薬味を作ろう!
耕作「スープって・・・これも一から作るわけ? 豚骨とか使うの?」
鈴木「さすがにそこまでやってられないから、今回は既製品を使いましょう」

まさにラーメンスープ
耕作「へー。ラーメン用のスープって、こんなのも売ってるんだ? ぼく、カップ麺で使う粉のやつしか知らなかったよー」
鈴木「スーパーに行けば、こういうスープは山ほど売ってるわよぉん? まぁ麺つゆと同じ感覚で、自分の好きなものを探してみるのも楽しいかもねぇ」
耕作「で、これをどうするの?」
鈴木「これは醤油味の濃縮スープだから、まずは自分の好きな濃さまで薄めてやる必要があるわぁん」
耕作「ふんふん。麺つゆと一緒だね?」
鈴木「注意して欲しいのは、ラベルに書いてある希釈倍率をあんまり信用しすぎないこと。このスープは10倍って書いてあるけど、それだと辛すぎるから20倍くらいでちょうどいいと思うわぁ」
耕作「20倍、20倍・・・っと」
鈴木「で、希釈したら・・・次は味を整えるために、付属のラードと隠し味を入れるわよぉん!」
耕作「隠し味!? ニューピスでも入れるの!?」
鈴木「信じられないくらいのお馬鹿さんね・・・」
耕作「こ、これは・・・!」

左はラード。右が味覇です
鈴木「『味覇(ウェイパー)』です」
耕作「これ知ってる! 農もよく使ってるよ!」
鈴木「これをちょっと入れるだけで、どんな料理も本格中華の味に! お湯に溶かすだけで簡単に中華スープが作れちゃうスグレモノよぉん!」
耕作「便利なもんがあるんだねぇ・・・中国の味の素みたいなものかな?」
鈴木「お値段は結構イイ感じだけど、それだけの価値はあると思うわぁん」
耕作「これとラードをお湯に溶いてスープに投入・・・っと。おっ! 油が浮かんでイイ匂いがしてきたよ!?」

すごく良い匂いがします
鈴木「スープはこのくらいにして、次は薬味に行きましょう。・・・って言っても、実習で作ったネギくらいしかないわねぇ・・・」
耕作「いいんじゃない? 夜中にそんなたくさん具を載せたラーメン食べたくないし」

いっぱい切りました
耕作「こんなもんでいいかな?」
鈴木「ちょうど20分ね。じゃあ次に行くわよぉん?」
Step6
パスタマシーンを使って『生地』を『麺』にしよう!
鈴木「次はとうとう生地を麺にするわよぉ!! パスタマシーンをセットなさぁい!!」
耕作「ちょっと待ったぁぁぁ!!」
鈴木「どうしたのぉん?」
耕作「普通のご家庭にパスタマシーンなんて機械はありません!」
鈴木「そぉ? うちは置いてるけど? パスタ作るの好きだし」
耕作「悪い癖だ! 自分の趣味を他人が共有してると考えるのは、おまえのイチバン悪い癖だ!!」
鈴木「じゃあ麺棒と包丁でもいいけど、やっぱり均一な麺を作ろうと思ったらパスタマシーンは欲しいわねぇ。今回は使うわよぉん?」

机に固定できます
鈴木「これがパスタマシーン。生地を伸ばす機能と、伸ばした生地を麺にカットする2つの機能が付いた、とってもスグレモノなのよぉ?」
インペリア新型パスタマシーンSP-150
耕作「amazonで買えるんだ・・・意外と評価も高い・・・」
鈴木「製麺の楽しみに取り憑かれた人たちが購入する、ちょっとハイレベルな料理器具よぉん。そしてここに・・・」

小麦粉まみれにします
鈴木「生地がくっついちゃわないように、小麦粉をまぶすのがポイント。台にもパスタマシーンにも、ふんだんに小麦粉を振りかけてねぇ?」
耕作「な、なるほど・・・」

鈴木「ビニールから出した生地を適当な大きさにカットしてから・・・」

鈴木「麺棒で適当な厚さまで伸ばして・・・」

鈴木「パスタマシーンにセット!」
耕作「で、このローラーを回すんだね!?」
鈴木「シャァラァァッ!!」
耕作「!?」
鈴木「そのまえに、ローラーの目盛りをチェック! まずは『1』に合わせて、『3』『5』と少しずつ薄くしていくのよぉん!?」
耕作「な、なんで? 最初からイチバン薄くすればいいじゃん・・・?」
鈴木「じゃ、やってごらんなさぁい?」
耕作「ぐるぐるぐる~・・・」

穴だらけです
耕作「あれ!? き、生地がボロボロになっちゃった!?」
鈴木「そうなるから、面倒でもちゃぁんと手順を守るのが大事なの。わかったらやり直しなさい」
耕作「は、はい・・・」

薄く長くなっていきます
耕作「おー! すごい薄い! 長い!!」
鈴木「OKよ。じゃ、今度はカッターにセット。カッターの幅は太いのと細いのがあるけど、今回は細い方を使うわぁ。パスタを作るときもこっちを使うわね」

下のカッターを使います
耕作「太い方はどういう時に使うの?」
鈴木「おうどんとかねぇ」
耕作「じゃ、行くよ?」



感動の瞬間です
耕作「おお! 麺ができるできる! 楽しい~!!」
鈴木「で、これにも小麦粉をまぶしてやるのがポイント。麺が麺とくっついちゃうから」
耕作「これで麺も完成だね!」

500gだと3玉くらいです
Step7
ゆでる!!
鈴木「さ。あとは茹でるだけよぉん」
耕作「待ってました! もうお腹ペコペコだよぉ!」
鈴木「まず、釜にたっぷりお湯を沸かします」

確実に人が入れる大きさ
耕作「!?」
鈴木「次に、麺ザルを用意して・・・」
耕作「待った待った待った! なんだよあのバカでかい釜は!?」
鈴木「あれは二重釜といって、底が二重になってるから焦げつかずに調理が――」
耕作「そうじゃなくて! あんな釜がご家庭にあるわけないだろ! あんなん台所に置いたらお母さんが料理する場所がなくなるわ!!」
鈴木「うるさいわねぇ。じゃあべつに普通のお鍋でいいわよ。要は麺が茹でれればいいんだし」

ラーメンの象徴です
鈴木「で、この麺ザルに麺を入れて、お湯の中に漬けるのよぉん」
耕作「麺ザルも一般家庭には無いような・・・」
鈴木「ま、無いなら無いで、素麺を作る時みたいにしたら? お湯に麺を全部ブチ込んで、あとでザルに入れる方法よぉん」
耕作「あ、それならいけるかも」
鈴木「今回は麺ざるを使うわよぉん」

茹でます
耕作「茹で時間は?」
鈴木「30秒から1分といったところかしらぁ? このあたりはお好みで」
耕作「ぼくは固いのが好きだから、30秒にしとこうかな」
鈴木「そう・・・畑くんは固いのが好きなのねぇ。腐腐腐・・・」
耕作「食事の前に妙な妄想してんじゃねえよ!?」
鈴木「茹であがったら、湯切りをして丼に入れるわよぉ」

湯切りです
耕作「おー! これいっぺんやってみたかったんだよね! そらっ、天空落とし!!」
鈴木「お湯が飛ぶから、やめてくれる?」
耕作「す、すんません・・・」

鈴木「湯切りした麺を丼に入れたら、スープを加えて・・・」


鈴木「ネギを載せて、完成よぉ!!」
耕作「わぁい!」

耕作「お~! 本当にラーメンだ!」
鈴木「当たり前よぉん。味だって完璧なんだから」
耕作「ずず・・・っ!? す、すごい! ちゃんと麺にコシがある!!」
鈴木「ホント、へたなラーメン屋で食べるよりも美味しいから困るのよねぇ・・・」
耕作「確かに・・・これはちょっとハマっちゃうかも・・・? パスタマシーン・・・買っちゃうかも・・・!?」
鈴木「とまあ、こんな感じで楽しく美味しく授業でラーメンが作れちゃうのが、我が生物工学科よぉん。他にもアンパンを作ったり栗きんとんを作ったり、12月にはクリスマスケーキも作ってみんなでデコレートコンテストもするのぉ! とっても楽しいわよぉん?」
耕作「なんだか生工の宣伝みたいになっちゃったけど、美味しかったから良し!!」
鈴木「それじゃあ皆さん、来年も『のうりん』をよろしくねぇん☆」
耕作「あっ、今年の更新はこれが最後か・・・年越しソバならぬ年越しラーメンになっちゃったなぁ」
次回更新は3週間後の1月2日を予定しています。
みなさん、良いお年を!
耕作「んー、始める前に軽く何か食べたいところなんだけど、早寝早起きの農はもう寝ちゃってるし、買い置きのお菓子もカップ麺も食べ尽くしちゃったしなー。こんな寒い日はラーメンなんか最高なんだけど・・・」
鈴木「じゃ、つくってみましょ」
耕作「へ?」
『ら~めんを作ってみよう!』
耕作「バイオ鈴木!? お、おまえ、こんな時間にどうして寮にいるんだよ!?」
鈴木「ウフフフフ。細かいことは気にしちゃダメよぉん」
耕作「いや、ゼンゼン細かくない気が・・・っていうか、ラーメンを作るってどういう意味?」
鈴木「言葉どおりの意味よぉん。ラーメンの作り方は意外とカンタン。ご家庭でも短時間でちゃぁんと麺から作れるのぉ」
耕作「マジで!?」
鈴木「実際に作ってみればわかるわぁん。まず用意するものは――」

材料(2人分)
小麦粉:500g(麺用の粉)
重そう: 7g
食 塩: 7g
水 :250g
鈴木「麺を作るのに必要なものはこれだけよぉん。これならご家庭にも常備されてるでしょぉ?」
耕作「ないよ!! 普通の家には麺用の小麦粉なんて置いてないし、重そうだってきっとないよ!!」
鈴木「そう? まぁそんなに高いものじゃないし、普通にスーパーで手に入るものばかりだから、揃えてちょうだい」
耕作「揃えてって・・・この時点で手軽に作る夜食の域を超えている気が・・・」
鈴木「じゃ、始めるわよぉん?」
Step1
重そうと食塩を水に溶かして『かん水』を作ろう!
鈴木「まずは重そうと食塩を水に溶かすところから。重そうはちょっと溶けにくいから、割り箸でちゃぁんとかき混ぜてね?」
耕作「ちょっとバイオさん」
鈴木「なぁに?」
耕作「じゅうそう、って何?」
鈴木「炭酸水素ナトリウムよぉん。サイダーやソーダ飴の原料になったり、洗剤の原料になったりしてるわぁん。ご年配の方だと、夏みかんに直接ふりかけたりすることもあるかもねぇ。お酢と一緒に特定農薬にも指定されてるから、畑くんも聞いたことがあるんじゃないかしら?」
耕作「ああ、そういえば使ったかも・・・?」
鈴木「ちなみに『かん水』を使うと、麺にコシが出て色も黄色くなるの。ラーメン作りに欠かせないものだけど、独特の匂いもあるから使用に否定的な立場もあるわぁん」
耕作「確か『美味しんぼ』にもそんな話が載ってたね」

よく混ぜます
鈴木「で、かん水ができたら次のステップに進むわよぉん?」
Step2
小麦粉にかん水を加え、割り箸を使って『水まわし』をしよう!
耕作「みずまわし?」
鈴木「要するに、水を加えた小麦粉を割り箸で練るのよ。ねるねるねるねみたいに」
耕作「ふーん。どうしてそんなことするの? いきなり手でコネたらダメなわけ?」
鈴木「畑くんったら、ホントお馬鹿さぁん」
耕作「!?」
鈴木「それをやると、せっかくの小麦粉がベトベトになったりダマになったりして失敗するわぁん。素人さんが一番最初にやる失敗ね」
耕作「う・・・」
鈴木「小麦粉の量に比べて、水がほら、半分しかないでしょう? だから均一に水を吸わせてやる必要があるの。そのための『水まわし』よぉん」
耕作「な、なるほど・・・」
鈴木「さ。やってごらんなさぁい?」

小麦粉にかん水を加えます
耕作「ぐりぐりぐり・・・これ、いつまでやればいいの?」
鈴木「小麦粉がそぼろ状になるまでねぇん。具体的には鮭フレークみたいなポロポロ感が欲しいわぁん」
耕作「ポロポロ感・・・」
鈴木「ちなみに今回使ってる小麦粉は『日進ナンバーワン』っていう、ラーメン用の小麦粉としては最高とされてる小麦粉よぉん! プロのラーメン屋さん御用達! 一般では手に入りにくい業務用の粉だから、ありがたくお使いなさぁい!」
耕作「おまえさっきスーパーでカンタンに手に入るって言ってたろ!?」
鈴木「品質にこだわらなければね。ぶっちゃけ強力粉なら何でもいいわけだし・・・うん。そろそろよさそうね?」

画面越しにも伝わってくるポロポロ感
耕作「はー、疲れたぁ・・・。次は何をするの?」
鈴木「次はもっと疲れるわよぉん?」
Step3
生地をコネよう!
鈴木「説明不要! とにかくコネなさぁい!!」
耕作「おっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
~ 20分経過 ~
耕作「こ・・・こんなもんで・・・どうでしょうか・・・?」

力の限りこねます
鈴木「まだまだ! もっとツヤが出るまでコネる! そして触ったらプンニョリと柔らかいのがベストよぉん!」
耕作「ツヤツヤ・・・プンニョリ・・・」
鈴木「耳たぶくらい柔らかいのが理想ねぇ」
耕作「み、耳たぶ・・・」
鈴木「畑くんのお尻の感触でもいいわよぉ?」
耕作「なんで知ってるの!?」
鈴木「ウ腐腐腐腐・・・」
~ さらに10分経過 ~
耕作「こ、こんなもんで・・・」
鈴木「まぁいいわぁ。じゃ、これを――」
Step4
生地をビニール袋に入れて20分寝かそう・・・。
鈴木「じゃ、その生地をビニール袋に入れてくれるかしらぁ?」
耕作「よいしょっと・・・これでいいの?」

しばしの眠りにつきます・・・
鈴木「ええ。あとは20分間寝かせるだけよぉん。クッキングタイマーをセットしておきましょお」
耕作「ふー、疲れた。ちょっと休憩?」
鈴木「お馬鹿さぁん。休んでる暇なんてないわよぉん?」
耕作「え?」
鈴木「今のうちにスープと薬味を用意するわよぉ!!」
Step5
スープと薬味を作ろう!
耕作「スープって・・・これも一から作るわけ? 豚骨とか使うの?」
鈴木「さすがにそこまでやってられないから、今回は既製品を使いましょう」

まさにラーメンスープ
耕作「へー。ラーメン用のスープって、こんなのも売ってるんだ? ぼく、カップ麺で使う粉のやつしか知らなかったよー」
鈴木「スーパーに行けば、こういうスープは山ほど売ってるわよぉん? まぁ麺つゆと同じ感覚で、自分の好きなものを探してみるのも楽しいかもねぇ」
耕作「で、これをどうするの?」
鈴木「これは醤油味の濃縮スープだから、まずは自分の好きな濃さまで薄めてやる必要があるわぁん」
耕作「ふんふん。麺つゆと一緒だね?」
鈴木「注意して欲しいのは、ラベルに書いてある希釈倍率をあんまり信用しすぎないこと。このスープは10倍って書いてあるけど、それだと辛すぎるから20倍くらいでちょうどいいと思うわぁ」
耕作「20倍、20倍・・・っと」
鈴木「で、希釈したら・・・次は味を整えるために、付属のラードと隠し味を入れるわよぉん!」
耕作「隠し味!? ニューピスでも入れるの!?」
鈴木「信じられないくらいのお馬鹿さんね・・・」
耕作「こ、これは・・・!」

左はラード。右が味覇です
鈴木「『味覇(ウェイパー)』です」
耕作「これ知ってる! 農もよく使ってるよ!」
鈴木「これをちょっと入れるだけで、どんな料理も本格中華の味に! お湯に溶かすだけで簡単に中華スープが作れちゃうスグレモノよぉん!」
耕作「便利なもんがあるんだねぇ・・・中国の味の素みたいなものかな?」
鈴木「お値段は結構イイ感じだけど、それだけの価値はあると思うわぁん」
耕作「これとラードをお湯に溶いてスープに投入・・・っと。おっ! 油が浮かんでイイ匂いがしてきたよ!?」

すごく良い匂いがします
鈴木「スープはこのくらいにして、次は薬味に行きましょう。・・・って言っても、実習で作ったネギくらいしかないわねぇ・・・」
耕作「いいんじゃない? 夜中にそんなたくさん具を載せたラーメン食べたくないし」

いっぱい切りました
耕作「こんなもんでいいかな?」
鈴木「ちょうど20分ね。じゃあ次に行くわよぉん?」
Step6
パスタマシーンを使って『生地』を『麺』にしよう!
鈴木「次はとうとう生地を麺にするわよぉ!! パスタマシーンをセットなさぁい!!」
耕作「ちょっと待ったぁぁぁ!!」
鈴木「どうしたのぉん?」
耕作「普通のご家庭にパスタマシーンなんて機械はありません!」
鈴木「そぉ? うちは置いてるけど? パスタ作るの好きだし」
耕作「悪い癖だ! 自分の趣味を他人が共有してると考えるのは、おまえのイチバン悪い癖だ!!」
鈴木「じゃあ麺棒と包丁でもいいけど、やっぱり均一な麺を作ろうと思ったらパスタマシーンは欲しいわねぇ。今回は使うわよぉん?」

机に固定できます
鈴木「これがパスタマシーン。生地を伸ばす機能と、伸ばした生地を麺にカットする2つの機能が付いた、とってもスグレモノなのよぉ?」
インペリア新型パスタマシーンSP-150
耕作「amazonで買えるんだ・・・意外と評価も高い・・・」
鈴木「製麺の楽しみに取り憑かれた人たちが購入する、ちょっとハイレベルな料理器具よぉん。そしてここに・・・」

小麦粉まみれにします
鈴木「生地がくっついちゃわないように、小麦粉をまぶすのがポイント。台にもパスタマシーンにも、ふんだんに小麦粉を振りかけてねぇ?」
耕作「な、なるほど・・・」

鈴木「ビニールから出した生地を適当な大きさにカットしてから・・・」

鈴木「麺棒で適当な厚さまで伸ばして・・・」

鈴木「パスタマシーンにセット!」
耕作「で、このローラーを回すんだね!?」
鈴木「シャァラァァッ!!」
耕作「!?」
鈴木「そのまえに、ローラーの目盛りをチェック! まずは『1』に合わせて、『3』『5』と少しずつ薄くしていくのよぉん!?」
耕作「な、なんで? 最初からイチバン薄くすればいいじゃん・・・?」
鈴木「じゃ、やってごらんなさぁい?」
耕作「ぐるぐるぐる~・・・」

穴だらけです
耕作「あれ!? き、生地がボロボロになっちゃった!?」
鈴木「そうなるから、面倒でもちゃぁんと手順を守るのが大事なの。わかったらやり直しなさい」
耕作「は、はい・・・」

薄く長くなっていきます
耕作「おー! すごい薄い! 長い!!」
鈴木「OKよ。じゃ、今度はカッターにセット。カッターの幅は太いのと細いのがあるけど、今回は細い方を使うわぁ。パスタを作るときもこっちを使うわね」

下のカッターを使います
耕作「太い方はどういう時に使うの?」
鈴木「おうどんとかねぇ」
耕作「じゃ、行くよ?」



感動の瞬間です
耕作「おお! 麺ができるできる! 楽しい~!!」
鈴木「で、これにも小麦粉をまぶしてやるのがポイント。麺が麺とくっついちゃうから」
耕作「これで麺も完成だね!」

500gだと3玉くらいです
Step7
ゆでる!!
鈴木「さ。あとは茹でるだけよぉん」
耕作「待ってました! もうお腹ペコペコだよぉ!」
鈴木「まず、釜にたっぷりお湯を沸かします」

確実に人が入れる大きさ
耕作「!?」
鈴木「次に、麺ザルを用意して・・・」
耕作「待った待った待った! なんだよあのバカでかい釜は!?」
鈴木「あれは二重釜といって、底が二重になってるから焦げつかずに調理が――」
耕作「そうじゃなくて! あんな釜がご家庭にあるわけないだろ! あんなん台所に置いたらお母さんが料理する場所がなくなるわ!!」
鈴木「うるさいわねぇ。じゃあべつに普通のお鍋でいいわよ。要は麺が茹でれればいいんだし」

ラーメンの象徴です
鈴木「で、この麺ザルに麺を入れて、お湯の中に漬けるのよぉん」
耕作「麺ザルも一般家庭には無いような・・・」
鈴木「ま、無いなら無いで、素麺を作る時みたいにしたら? お湯に麺を全部ブチ込んで、あとでザルに入れる方法よぉん」
耕作「あ、それならいけるかも」
鈴木「今回は麺ざるを使うわよぉん」

茹でます
耕作「茹で時間は?」
鈴木「30秒から1分といったところかしらぁ? このあたりはお好みで」
耕作「ぼくは固いのが好きだから、30秒にしとこうかな」
鈴木「そう・・・畑くんは固いのが好きなのねぇ。腐腐腐・・・」
耕作「食事の前に妙な妄想してんじゃねえよ!?」
鈴木「茹であがったら、湯切りをして丼に入れるわよぉ」

湯切りです
耕作「おー! これいっぺんやってみたかったんだよね! そらっ、天空落とし!!」
鈴木「お湯が飛ぶから、やめてくれる?」
耕作「す、すんません・・・」

鈴木「湯切りした麺を丼に入れたら、スープを加えて・・・」


鈴木「ネギを載せて、完成よぉ!!」
耕作「わぁい!」

耕作「お~! 本当にラーメンだ!」
鈴木「当たり前よぉん。味だって完璧なんだから」
耕作「ずず・・・っ!? す、すごい! ちゃんと麺にコシがある!!」
鈴木「ホント、へたなラーメン屋で食べるよりも美味しいから困るのよねぇ・・・」
耕作「確かに・・・これはちょっとハマっちゃうかも・・・? パスタマシーン・・・買っちゃうかも・・・!?」
鈴木「とまあ、こんな感じで楽しく美味しく授業でラーメンが作れちゃうのが、我が生物工学科よぉん。他にもアンパンを作ったり栗きんとんを作ったり、12月にはクリスマスケーキも作ってみんなでデコレートコンテストもするのぉ! とっても楽しいわよぉん?」
耕作「なんだか生工の宣伝みたいになっちゃったけど、美味しかったから良し!!」
鈴木「それじゃあ皆さん、来年も『のうりん』をよろしくねぇん☆」
耕作「あっ、今年の更新はこれが最後か・・・年越しソバならぬ年越しラーメンになっちゃったなぁ」
次回更新は3週間後の1月2日を予定しています。
みなさん、良いお年を!
by thurinus
| 2011-12-12 22:00
| SS
若旦那の中に(袋の中が作者)
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