第17回 過酷! 羽後町まるごと満喫ツアー冬の陣 その2
前回までの「のうりんのぶろぐ」は・・・
十数年ぶりの大寒波と共に秋田県羽後町へと到達した耕作と金上。
彼らを待っていたのは温暖な美濃地方では考えられない量の雪と
その雪を防ぎ、かつ利用しようと創意工夫が凝らされた農業だった。
たくましい雪国の農家の姿に感銘を受けつつソバを食べていた二人の前に
そのとき、謎の集団が姿を現す・・・!!

ソバを食う謎の一団。押井守の映画のワンシーンのよう
耕作「えええ~!? ちょっと何この集団!? しかも・・・」

ニンジンうめぇ
耕作「馬ァ!?」
金上「ククク・・・やっと到着したようだな・・・」
耕作「金上! こ、この人たちは一体!?」
金上「花嫁道中だ・・・ッ!」
耕作「は、花嫁・・・道中?」
『花嫁道中』とは・・・
昭和61年から開催される、雪国ならではのイベント。
西馬音内から田代までのキャンドルロード12Kmを昔懐かしい馬そりによる花嫁道中を再現。
馬そりにゆられ峠を越える花嫁道中。
ろうそくのともしびにに照らされた雪の回廊を行く情景は、何ともいえず幻想的です。
(羽後町さまのホームページより引用)
耕作「へぇ~、昔はこうやって嫁入りしてたんだねー・・・って、12キロ!? しかも雪の山道を!?」
金上「ククク・・・みんなで楽しいピクニックだ・・・!」

ボックス型のソリを引いています

中はこんな感じ

樽も背負ってます。その名も『樽小姓』
耕作「しかも吹雪いてきたし・・・」
金上「花嫁が出てきたぜ」

花嫁さんです

手前の黒い男性が花婿さん
金上「そろそろ出発だ。準備はいいか大将?」
耕作「これ、本当に大丈夫なの・・・? よそ者が歩くなんて無謀なんじゃないの・・・?」
金上「途中で脱落しても救護車が拾ってくれるらしい。心置きなく歩こうぜ」
耕作「余計心配になってきたよ!」

満喫ツアーも行くぞ!

花嫁道具も運びます(でも中はカラッポ)

出発!
耕作「さて、歩き始めたはいいけど・・・吹雪で前が見えない! しかも全力で防寒対策やってきたのに、かなり寒い!」
耕作「金上の姿も見えなくなっちゃったし・・・心細いよぅ・・・」
耕作「それにしても・・・あのミノとか笠とかで歩いてる地元の人たち、寒くないのかな? ちょっと聞いてみるか・・・」
耕作「あの~」
おじさん「はい?」
耕作「その格好、寒くないんですか?」
おじさん「寒いですね!」
耕作「(やっぱり寒いのか・・・)」
おじさん「もう二十年以上この花嫁行列をやってますが、今年が一番雪が多いです」
耕作「マジっすかぁ・・・」

休憩地点。雪が治まって来ました

萌えキャラ。観光客に大人気

樽小姓も大人気

雪の壁にロウソクが灯ります

花嫁と花婿が乗り込みます

付き添いの人たちも乗ってます

いざ

しゅっ

ぱつ!
耕作「ここからが七曲峠か。けっこう雪で足が滑るな・・・」

ここから峠です
耕作「ふぅ・・・ふぅ・・・」
おじさん「大丈夫ですか?」
耕作「あっ、さっきの。・・・ところで、みなさん羽後町の方なんですよね? どんなお仕事をなさってるんですか?」
おじさん「私は普段、スイカを作ってます」
耕作「え!? 農家の方なんですか? 実はぼくも岐阜の農業高校の生徒なんですけど、お話を聞かせてもらってもいいですか?」
おじさん「ええ」
耕作「ありがとうございます。あの、スイカって、どんなスイカを?」
おじさん「うちは小玉スイカですね」
耕作「小玉スイカっていうと、普通のスイカより小さいんですか?」
おじさん「そうですね。最近は大きなスイカより、小玉スイカのほうが需要が大きくなりつつあるんですよ」
耕作「え!? そうなんですか?」
おじさん「少子化で、核家族化が進んでいるでしょう? だからあんまり大きすぎると食べきれないし、大玉スイカって大きすぎて冷蔵庫にも入らないじゃないですか。それで小玉が売れるんです」
耕作「はぁー・・・なるほど」
おじさん「ちなみに品種は『ひとりじめ』です(笑)」
耕作「いいネーミングですね!」
『ひとりじめ』とは・・・
大玉に負けないシャリ感と糖度がウリの小玉スイカ。
特に食味に優れ、大玉に近いシャリ感を持つ。高糖度で肉質はしまり、果肉色は鮮紅色。
果皮は2mm前後で薄いが硬めで、栽培中の生理裂果が少なく、輸送にも耐える。
(株)萩原農場さまのホームページより
おじさん「うちでは部会(生産者のグループ)を作って、地域のみんなで高い品質を追求しています。ホテルと契約して出荷したりもしているんですよ」
耕作「ブランド化ってやつですね! 羽後で作ることのメリットとかってあるんですか?」
おじさん「どんな作物でもですけど、寒暖の差が激しい場所で作ると味がよくなります。でも寒すぎて育ちにくかったり、土が粘土質なんで肥料が土に溜まって抜けにくかったりして・・・難しいですね」
耕作「これだけ雪が降ると、冬は農作業できないですしね」
おじさん「露地は無理ですね」
耕作「冬は何をなさっているんですか?」
おじさん「うちは山もあるので、畑ができない時期は山の仕事をしたりしますね。でも真冬はさすがに仕事はできないので、来年の作付けの計画を立てたりしています。試したいことが色々あるので、この時期はけっこう楽しいですよ」
耕作「へぇ~。もう何十年もスイカをやってらっしゃるんですよね? それでもまだ試行錯誤を・・・」
おじさん「いえ。今年で3作目です」
耕作「え? 他の作物から転作したんですか?」
おじさん「実は私、脱サラで・・・」
耕作「ええ!?」
おじさん「しかも婿養子なのに田んぼを潰して畑にしちゃって(笑)」
耕作「えええ!?」
おじさん「農業を始めてから、人生が2倍になったように感じますよ。毎日が充実してます」
耕作「でも、どうして農業を・・・? はっきり言って、この土地で農業をするのは大変だと思うんですが・・・」
おじさん「確かに過疎化も進んでますし、農業をやる人間の数も減ってます。それでも、誰かが声を上げないと本当に死んでしまいますから」
耕作「・・・そうですね」

途中の民家で休憩

花嫁さんたちは民家の中へ

提灯に火を灯します

ちょうちん

ソリにもちょうちん

暗くなってきました

ほぼ真っ暗。顔も見えません
耕作「ふぅ・・・やっと山頂か。これで半分・・・」

山頂付近

山頂でキャンドルサービス!
耕作「ここで新郎新婦がキャンドルサービス! すごく綺麗だったけど、正直なところ寒いし疲れたしで早くゴールに行きたいです!」

ドームの中へ・・・
耕作「ここでしばらく行列が止まりました。馬が動かなくなっちゃったみたいです」

この灯りが頼りです
耕作「延々と下り坂が続きます。ポツポツある民家の前を通ると、住民の人たちが手を振ってくれます」

山の麓の休憩地点。甘酒が振舞われました

おつかれさま!
耕作「あ、歩ききった・・・! めちゃめちゃ疲れたぁ~・・・」
金上「よう大将。お疲れさん」
耕作「金上!? おまえどこ行ってたんだよ!? 一緒に歩くって言ったじゃないか!」
金上「歩くとは言った! 言ったが・・・どのルートを歩くかは言っていない・・・! つまりオレがその気になれば農家レストランからゴール地点まで最短距離を歩くことも可能だろう・・・・・・ということ・・・!」
耕作「ズルすぎるだろ!? 満喫ツアーのみんなも全員歩ききったのに!」
金上「そんなことより、クライマックスが始まるぜ・・・?」

ゴール地点の『長谷山邸』

餅撒きやるぞ!

クライマックス『冬花火』。演歌が流れます
耕作「いやもう花火まで上がっちゃってますよ」
金上「ちなみにここで流れた演歌は、地元出身の歌手岩本公水さんが歌う『雪花火』だ」
耕作「すごい・・・仙台あたりからもツアー客が来るのもわかるよね。これは一見の価値があるよ」
金上「最後まで歩いたご褒美・・・だが! ここで終わらないのが満喫ツアー・・・!」
耕作「え? これでおしまいじゃないの? 他のお客さんたちは帰り始めてるけど・・・」
金上「オレたちは、あそこに見える屋敷に入る」
耕作「あ、あの豪邸に!?」

特別に家の中へ
耕作「ね、ねえ金上・・・この家ってどういうお屋敷なの?」
金上「明治時代に、議員もやってた地元の地主が建てた家・・・だったかな。今は総合交流促進施設として利用されてるらしい」
耕作「はぁー・・・」
金上「今からここで神前の結婚式が行われるんだが」
耕作「うん」
金上「オレたちも参加する」
耕作「はい!?」
金上「他のツアー客は参加できないがな。満喫ツアーだけ、特別だ」

土間。めちゃめちゃ広いです

座敷に上げていただきます

囲炉裏!

三々九度にも参加。いいの・・・?
耕作「・・・いやー、めっちゃ緊張したわ。・・・ん? こっちに階段があるぞ?」

奥の階段を上り・・・

廊下を歩いて行くと・・・

広間発見! しかも3階への階段が・・・
金上「大将。どこ行ってたんだ?」
耕作「ちょっと探検に・・・すごいよね。この家、三階まであるんだよ?」
金上「昔は客が来ると、三階に招いて宴会を開いたそうだぜ? っと、それよりメシだ」
耕作「おっ! 待ってました!!」

さっきまで三々九度が行われていた場所で夕食を

地元の山菜や野菜を使ったお漬物!

死ぬほど腹が減ってます。うまそう!
耕作「いや~、おいしかった! 特にお米は、さすが羽後の『あきたこまち』だよね!」
金上「ここで実行委員長の菅原さんからご挨拶があったんだが・・・」
耕作「菅原さんは一度羽後町を出て、都会で生活してたことがあるんだよね」
金上「他の街おこしの事例を見ても、キーパーソンとなるような人は『外の世界を知っている人』が圧倒的に多い。菅原さんもそういう人だ」
耕作「スイカを作ってるおじさんも言ってたけど、そういう人ってやっぱり『声を上げないと』っていう意識が強くなるのかもね・・・」

本業は酒屋さんです
金上「ちなみにここで、西又先生のイラストをラベルに使った新作の熟成焼酎がお披露目された! 10年も熟成させた本格派・・・! アルコール度数・・・30度・・・!」
耕作「ぼくらは飲めなかったけどね!」

熟成焼酎『花嫁道中 冬花火と美少女』はこのイラストが目印!
金上「さて・・・長かった1日もこれで終わりだ。宿に帰るぜ・・・」
耕作「お腹がいっぱいになったら眠くなってきちゃったよ・・・」

バスに乗って『わか杉』へ
耕作「いや~、やっと帰ってきた・・・ん!? こ、これは!」

サプラーイズ!

かまくらも
金上「ツアーを企画してくださった農協の皆さんによるサプライズ演出・・・! まるで花嫁道中の再現・・・!」
耕作「疲れも忘れて思わずはしゃいじゃうよね! 明日も楽しみだよ!」
旅行編、次回が最終回です。
更新は6月18日を予定しています。お楽しみに!
十数年ぶりの大寒波と共に秋田県羽後町へと到達した耕作と金上。
彼らを待っていたのは温暖な美濃地方では考えられない量の雪と
その雪を防ぎ、かつ利用しようと創意工夫が凝らされた農業だった。
たくましい雪国の農家の姿に感銘を受けつつソバを食べていた二人の前に
そのとき、謎の集団が姿を現す・・・!!

ソバを食う謎の一団。押井守の映画のワンシーンのよう
耕作「えええ~!? ちょっと何この集団!? しかも・・・」

ニンジンうめぇ
耕作「馬ァ!?」
金上「ククク・・・やっと到着したようだな・・・」
耕作「金上! こ、この人たちは一体!?」
金上「花嫁道中だ・・・ッ!」
耕作「は、花嫁・・・道中?」
『花嫁道中』とは・・・
昭和61年から開催される、雪国ならではのイベント。
西馬音内から田代までのキャンドルロード12Kmを昔懐かしい馬そりによる花嫁道中を再現。
馬そりにゆられ峠を越える花嫁道中。
ろうそくのともしびにに照らされた雪の回廊を行く情景は、何ともいえず幻想的です。
(羽後町さまのホームページより引用)
耕作「へぇ~、昔はこうやって嫁入りしてたんだねー・・・って、12キロ!? しかも雪の山道を!?」
金上「ククク・・・みんなで楽しいピクニックだ・・・!」

ボックス型のソリを引いています

中はこんな感じ

樽も背負ってます。その名も『樽小姓』
耕作「しかも吹雪いてきたし・・・」
金上「花嫁が出てきたぜ」

花嫁さんです

手前の黒い男性が花婿さん
金上「そろそろ出発だ。準備はいいか大将?」
耕作「これ、本当に大丈夫なの・・・? よそ者が歩くなんて無謀なんじゃないの・・・?」
金上「途中で脱落しても救護車が拾ってくれるらしい。心置きなく歩こうぜ」
耕作「余計心配になってきたよ!」

満喫ツアーも行くぞ!

花嫁道具も運びます(でも中はカラッポ)

出発!
耕作「さて、歩き始めたはいいけど・・・吹雪で前が見えない! しかも全力で防寒対策やってきたのに、かなり寒い!」
耕作「金上の姿も見えなくなっちゃったし・・・心細いよぅ・・・」
耕作「それにしても・・・あのミノとか笠とかで歩いてる地元の人たち、寒くないのかな? ちょっと聞いてみるか・・・」
耕作「あの~」
おじさん「はい?」
耕作「その格好、寒くないんですか?」
おじさん「寒いですね!」
耕作「(やっぱり寒いのか・・・)」
おじさん「もう二十年以上この花嫁行列をやってますが、今年が一番雪が多いです」
耕作「マジっすかぁ・・・」

休憩地点。雪が治まって来ました

萌えキャラ。観光客に大人気

樽小姓も大人気

雪の壁にロウソクが灯ります

花嫁と花婿が乗り込みます

付き添いの人たちも乗ってます

いざ

しゅっ

ぱつ!
耕作「ここからが七曲峠か。けっこう雪で足が滑るな・・・」

ここから峠です
耕作「ふぅ・・・ふぅ・・・」
おじさん「大丈夫ですか?」
耕作「あっ、さっきの。・・・ところで、みなさん羽後町の方なんですよね? どんなお仕事をなさってるんですか?」
おじさん「私は普段、スイカを作ってます」
耕作「え!? 農家の方なんですか? 実はぼくも岐阜の農業高校の生徒なんですけど、お話を聞かせてもらってもいいですか?」
おじさん「ええ」
耕作「ありがとうございます。あの、スイカって、どんなスイカを?」
おじさん「うちは小玉スイカですね」
耕作「小玉スイカっていうと、普通のスイカより小さいんですか?」
おじさん「そうですね。最近は大きなスイカより、小玉スイカのほうが需要が大きくなりつつあるんですよ」
耕作「え!? そうなんですか?」
おじさん「少子化で、核家族化が進んでいるでしょう? だからあんまり大きすぎると食べきれないし、大玉スイカって大きすぎて冷蔵庫にも入らないじゃないですか。それで小玉が売れるんです」
耕作「はぁー・・・なるほど」
おじさん「ちなみに品種は『ひとりじめ』です(笑)」
耕作「いいネーミングですね!」
『ひとりじめ』とは・・・
大玉に負けないシャリ感と糖度がウリの小玉スイカ。
特に食味に優れ、大玉に近いシャリ感を持つ。高糖度で肉質はしまり、果肉色は鮮紅色。
果皮は2mm前後で薄いが硬めで、栽培中の生理裂果が少なく、輸送にも耐える。
(株)萩原農場さまのホームページより
おじさん「うちでは部会(生産者のグループ)を作って、地域のみんなで高い品質を追求しています。ホテルと契約して出荷したりもしているんですよ」
耕作「ブランド化ってやつですね! 羽後で作ることのメリットとかってあるんですか?」
おじさん「どんな作物でもですけど、寒暖の差が激しい場所で作ると味がよくなります。でも寒すぎて育ちにくかったり、土が粘土質なんで肥料が土に溜まって抜けにくかったりして・・・難しいですね」
耕作「これだけ雪が降ると、冬は農作業できないですしね」
おじさん「露地は無理ですね」
耕作「冬は何をなさっているんですか?」
おじさん「うちは山もあるので、畑ができない時期は山の仕事をしたりしますね。でも真冬はさすがに仕事はできないので、来年の作付けの計画を立てたりしています。試したいことが色々あるので、この時期はけっこう楽しいですよ」
耕作「へぇ~。もう何十年もスイカをやってらっしゃるんですよね? それでもまだ試行錯誤を・・・」
おじさん「いえ。今年で3作目です」
耕作「え? 他の作物から転作したんですか?」
おじさん「実は私、脱サラで・・・」
耕作「ええ!?」
おじさん「しかも婿養子なのに田んぼを潰して畑にしちゃって(笑)」
耕作「えええ!?」
おじさん「農業を始めてから、人生が2倍になったように感じますよ。毎日が充実してます」
耕作「でも、どうして農業を・・・? はっきり言って、この土地で農業をするのは大変だと思うんですが・・・」
おじさん「確かに過疎化も進んでますし、農業をやる人間の数も減ってます。それでも、誰かが声を上げないと本当に死んでしまいますから」
耕作「・・・そうですね」

途中の民家で休憩

花嫁さんたちは民家の中へ

提灯に火を灯します

ちょうちん

ソリにもちょうちん

暗くなってきました

ほぼ真っ暗。顔も見えません
耕作「ふぅ・・・やっと山頂か。これで半分・・・」

山頂付近

山頂でキャンドルサービス!
耕作「ここで新郎新婦がキャンドルサービス! すごく綺麗だったけど、正直なところ寒いし疲れたしで早くゴールに行きたいです!」

ドームの中へ・・・
耕作「ここでしばらく行列が止まりました。馬が動かなくなっちゃったみたいです」

この灯りが頼りです
耕作「延々と下り坂が続きます。ポツポツある民家の前を通ると、住民の人たちが手を振ってくれます」

山の麓の休憩地点。甘酒が振舞われました

おつかれさま!
耕作「あ、歩ききった・・・! めちゃめちゃ疲れたぁ~・・・」
金上「よう大将。お疲れさん」
耕作「金上!? おまえどこ行ってたんだよ!? 一緒に歩くって言ったじゃないか!」
金上「歩くとは言った! 言ったが・・・どのルートを歩くかは言っていない・・・! つまりオレがその気になれば農家レストランからゴール地点まで最短距離を歩くことも可能だろう・・・・・・ということ・・・!」
耕作「ズルすぎるだろ!? 満喫ツアーのみんなも全員歩ききったのに!」
金上「そんなことより、クライマックスが始まるぜ・・・?」

ゴール地点の『長谷山邸』

餅撒きやるぞ!

クライマックス『冬花火』。演歌が流れます
耕作「いやもう花火まで上がっちゃってますよ」
金上「ちなみにここで流れた演歌は、地元出身の歌手岩本公水さんが歌う『雪花火』だ」
耕作「すごい・・・仙台あたりからもツアー客が来るのもわかるよね。これは一見の価値があるよ」
金上「最後まで歩いたご褒美・・・だが! ここで終わらないのが満喫ツアー・・・!」
耕作「え? これでおしまいじゃないの? 他のお客さんたちは帰り始めてるけど・・・」
金上「オレたちは、あそこに見える屋敷に入る」
耕作「あ、あの豪邸に!?」

特別に家の中へ
耕作「ね、ねえ金上・・・この家ってどういうお屋敷なの?」
金上「明治時代に、議員もやってた地元の地主が建てた家・・・だったかな。今は総合交流促進施設として利用されてるらしい」
耕作「はぁー・・・」
金上「今からここで神前の結婚式が行われるんだが」
耕作「うん」
金上「オレたちも参加する」
耕作「はい!?」
金上「他のツアー客は参加できないがな。満喫ツアーだけ、特別だ」

土間。めちゃめちゃ広いです

座敷に上げていただきます

囲炉裏!

三々九度にも参加。いいの・・・?
耕作「・・・いやー、めっちゃ緊張したわ。・・・ん? こっちに階段があるぞ?」

奥の階段を上り・・・

廊下を歩いて行くと・・・

広間発見! しかも3階への階段が・・・
金上「大将。どこ行ってたんだ?」
耕作「ちょっと探検に・・・すごいよね。この家、三階まであるんだよ?」
金上「昔は客が来ると、三階に招いて宴会を開いたそうだぜ? っと、それよりメシだ」
耕作「おっ! 待ってました!!」

さっきまで三々九度が行われていた場所で夕食を

地元の山菜や野菜を使ったお漬物!

死ぬほど腹が減ってます。うまそう!
耕作「いや~、おいしかった! 特にお米は、さすが羽後の『あきたこまち』だよね!」
金上「ここで実行委員長の菅原さんからご挨拶があったんだが・・・」
耕作「菅原さんは一度羽後町を出て、都会で生活してたことがあるんだよね」
金上「他の街おこしの事例を見ても、キーパーソンとなるような人は『外の世界を知っている人』が圧倒的に多い。菅原さんもそういう人だ」
耕作「スイカを作ってるおじさんも言ってたけど、そういう人ってやっぱり『声を上げないと』っていう意識が強くなるのかもね・・・」

本業は酒屋さんです
金上「ちなみにここで、西又先生のイラストをラベルに使った新作の熟成焼酎がお披露目された! 10年も熟成させた本格派・・・! アルコール度数・・・30度・・・!」
耕作「ぼくらは飲めなかったけどね!」

熟成焼酎『花嫁道中 冬花火と美少女』はこのイラストが目印!
金上「さて・・・長かった1日もこれで終わりだ。宿に帰るぜ・・・」
耕作「お腹がいっぱいになったら眠くなってきちゃったよ・・・」

バスに乗って『わか杉』へ
耕作「いや~、やっと帰ってきた・・・ん!? こ、これは!」

サプラーイズ!

かまくらも
金上「ツアーを企画してくださった農協の皆さんによるサプライズ演出・・・! まるで花嫁道中の再現・・・!」
耕作「疲れも忘れて思わずはしゃいじゃうよね! 明日も楽しみだよ!」
旅行編、次回が最終回です。
更新は6月18日を予定しています。お楽しみに!
by thurinus
| 2012-05-28 21:00
| SS
若旦那の中に(袋の中が作者)
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